2026/02/01 12:00
言葉が出ない?言葉はどのように発達する?【療育コラム】
「まんま、きた!」「これ、なあに?」
昨日までは指差しだけだったお子様が、少しずつ言葉を紡ぎ始める瞬間。それは、親御様にとって何にも代えがたい喜びの瞬間です。一方で、「周りの子に比べて遅いかも」「うちの子、まだ意味のある言葉が出ないけれど大丈夫かな?」と、ふとした瞬間に不安が胸をよぎることもあるのではないでしょうか。
「お子様の成長を、誰かと共有できずにひとりで抱え込んでいませんか?」
言葉の発達は、目に見える成長のバロメーターです。しかし、そのペースは驚くほど千差万別。今回は、教育・福祉のプロの視点から、1歳から3歳までの「言葉の階段」をどのように登っていくのか、その仕組みと関わり方のヒントをお伝えします。
1. 「はじめての言葉」が生まれる奇跡と、語彙の爆発
1歳頃:待望の「初語」との出会い
1歳を迎える頃、赤ちゃんの発する音に「意味」が宿り始めます。これが「初語(しょご)」です。パパ、ママ、ワンワン。それは単なる音の連なりではなく、「伝えたい」という意思が形になった瞬間です。
「最近、お子様が特定の音を何度も繰り返したり、指差しで何かを訴えたりしていませんか?」
1歳後半:訪れる「語彙爆発」の時期
1歳後半になると、言葉の貯金がいっぱいになり、一気に溢れ出す「語彙爆発(ごいばくはつ)」が見られるようになります。それまで一歩ずつ登っていた階段を、ジャンプして駆け上がるような急成長の時期です。この時期、お子様の脳内では「名前」と「モノ」が急速に結びついています。
2. 二語文から広がる、豊かな世界
2歳頃:言葉がつながる「二語連鎖」
「くるま、のる」「わんわん、いた」といった、二つの言葉を並べる「二語文」が始まります。これは、単に語彙が増えただけでなく、「主語と述語」という文章の構成、つまり論理的な思考の芽生えを意味します。
2歳後半:彩りを添える「動詞・形容詞」の獲得
2歳後半にかけて、言葉はさらに彩り豊かになります。「赤い」「大きい」といった状態を表す言葉や、「走る」「食べる」といった動きを表す言葉(動詞・形容詞)が加わります。これにより、お子様は自分の「感情」や「感覚」をより正確に伝えられるようになり、自己主張も強くなっていきます。
「イヤイヤ期も重なり、大変な時期かもしれません。でもそれは、言葉で自分を表現しようとする一生懸命なサインなのかもしれません。」
3. 知的好奇心の象徴「質問の出現」
3歳に近づくと、多くの親御様が経験するのが「これなあに?」「なんで?」攻撃です。これは「質問の出現」と呼ばれる重要な発達段階です。
- 知的好奇心の高まり: 世界の仕組みを知りたいという意欲。
- コミュニケーションの継続: 質問することで、大好きな大人と会話を続けたいという愛着行動。
- 概念の整理: 分類や名前を正しく理解しようとするプロセスの真っ最中。
忙しい時に何度も聞かれると疲れてしまうこともありますが、これはお子様が「社会」という扉を力いっぱい叩いている証拠なのです。
4. 専門家が大切にする「アセスメント」の視点
私たちプロの相談員や支援員は、単に「言葉が出ているかどうか」だけを見ているわけではありません。 お子様が今、どの段階にいて、何を伝えようとしているのか。周囲の環境とお子様の特性がどう噛み合っているのか。それを多角的に捉えるのが「アセスメント」です。
「育てにくさを感じたり、発達の目安と比べて不安になったりした時、ひとまず相談してみてください。」
療育や子育て支援の現場は、お子様を「変える」場所ではなく、お子様が「自分らしく、楽に生きていける方法」を一緒に見つける場所です。早く気づき、適切に関わることは、将来のお子様の自信を育むことにつながります。
まとめ:未来へ続く「言葉の架け橋」
3歳までの言葉の発達は、長い人生の土台となる大切な時間です。しかし、忘れないでください。一番大切なのは、完璧な発達のスケジュールをなぞることではなく、「伝え合いたい」という親子の心の通い合いそのものです。
もし今、あなたが不安の渦中にいるのなら、どうぞその手を私たちに伸ばしてください。児童福祉のプロフェッショナルが、あなたとお子様の歩幅に合わせて伴走します。
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