2026/06/14 12:00
【療育コラム】「におい」で疲れちゃうお子様へ。今日からできる嗅覚過敏のサポート
「におい」で疲れちゃうお子様へ。今日からできる嗅覚過敏のサポートと教室設計
日々、お子様と向き合う中で、こんな風に感じることはありませんか?
- 「特定の場所に行くと、急に機嫌が悪くなる」
- 「給食の時間や、人混みをひどく嫌がる」
- 「他の人が気づかないような小さなにおいに敏感に反応する」
それは、わがままや好き嫌いではなく、「嗅覚過敏」という特性によるものかもしれません。
発達段階にあるお子様の中には、視覚や聴覚だけでなく、「におい」に対して非常に鋭い感覚を持っている子がいます。 周囲にとっては「いい香り」であっても、本人にとっては「耐え難い苦痛」になることもあるのです。 今回は、教育・福祉のプロの視点から、嗅覚過敏を持つお子様が安心して過ごすための具体的な配慮についてご紹介します。
なぜ「におい」の配慮が必要なの?
学校の教室や家庭のリビングには、実はたくさんのにおいが溢れています。 文房具、給食、洗剤、芳香剤、そして人の体臭。嗅覚は脳にダイレクトに伝わる感覚であるため、不快なにおいは強い不安感や疲労感を引き起こします。
そんな風に、少しだけ視点を変えて環境を見渡してみませんか?
環境を整える5つのステップ
画像でも紹介している通り、少しの工夫でお子様の「しんどさ」を大きく軽減することができます。教室設計や、ご自宅での環境づくりにぜひお役立てください。
1. 無香の消臭剤を設置する
においを上書きする芳香剤ではなく、「無香タイプ」の消臭剤を選んでください。教室や自室など、長時間過ごす場所のベースのにおいをリセットすることが第一歩です。
2. 無理のない範囲でのマスク着用
マスクは物理的なフィルターになります。不織布だけでなく、お子様の肌に合う素材を選び、「お守り」として持っておくのも有効です。 「しんどい時はつけてもいいよ」という選択肢があるだけで、お子様の心はふっと軽くなります。
3. セーフゾーン(避難場所)の確保
においで「もう限界!」となった時に、すぐに逃げ込める場所を決めておきましょう。 風通しの良い廊下、静かな保健室、特定の相談スペースなど、「ここなら安心」と思える場所があることが、パニックを防ぐ鍵となります。
4. 好きな香りグッズを携帯する
不快なにおいを遮断するだけでなく、「安心できる香り」を活用しましょう。 お気に入りの香りを少しだけつけたハンカチなどを持ち歩き、辛い時にそっと嗅ぐことで、自分の感覚をコントロール(セルフケア)する練習にもなります。
5. 植物を効果的に活用する
自然の植物は、空気を清浄にするだけでなく、視覚的にもリラックス効果を与えます。お子様が「心地よい」と感じるハーブなどを育てるのも、素敵な情操教育の一つになりますね。
保護者の皆様、お一人で抱え込まないでください
お子様の敏感さに気づき、配慮しようと頑張るあまり、保護者の方が疲れてしまうこともあります。 「どうしてこんなに敏感なの?」「私の育て方のせい?」と自分を責める必要はありません。
児童福祉の専門家は、お子様だけでなく、ご家族の伴走者でもあります。 小さな違和感や、日々の困りごとを、私たちに聞かせていただけませんか?
今回ご紹介した配慮は、嗅覚過敏のお子様だけでなく、すべての子どもたちにとって「過ごしやすい環境」に繋がります。 まずは、できることから一つずつ、一緒に試していきましょう。
無料相談・お問い合わせ2026/06/07 12:00
【療育コラム】反抗期はなぜ起こる?その正体を知ろう
「最近、あんなに素直だった子が急にそっけなくなった…」
「何を言っても『うるさい』の一言。どう接すればいいのか分からない」
日々、お子様と向き合う中で、そんな風に孤独や戸惑いを感じることはありませんか?
こんにちは。児童福祉の現場で多くのお子様と保護者様をサポートしている専門相談員です。 お子様の成長は嬉しいはずなのに、「反抗期」という壁にぶつかると、親としての自信を失いそうになることもありますよね。
でも、安心してください。その「イライラ」や「沈黙」は、実はお子様が自立という大きな一歩を踏み出した証なのです。
反抗期はなぜ起こる?その正体を知ろう
反抗期とは、ひと言で言えば「自我の成長」です。 これまでは親の価値観をそのまま受け入れていたお子様が、自分自身の考えや価値観を持ち始め、周囲の大人と異なることに気づく大切な時期です。
心の自立と距離の変化
この時期のお子様には、以下のような特徴が見られるようになります。
- 以前ほど親に話をしなくなる(秘密を持つようになる)
- 自分に関わってほしくない素振りを見せる
- 精神的に自立しようとし、意図的に距離を置く
これらはすべて、自分という一人の人間を確立しようとする健康的な発達のプロセスです。親から離れようとする姿は、決してあなたを嫌いになったわけではありません。
親として、どう向き合えばいい?3つのポイント
「じゃあ、放っておけばいいの?」と思われるかもしれませんが、放置ではなく「適切な距離感」が鍵となります。
「小学生の頃と同じように、何でも把握しようとしていませんか?」
1. 適切な「一線を引く」勇気
中学生前後になると、プライベートな領域への過度な干渉は、お子様の自立心を阻害し、強い反発を招く危険があります。 「小学生の時とは違う一人の人間」として接し、あえて深く踏み込まない勇気を持つことが大切です。
2. 「優しすぎず、厳しすぎず」のバランス
お子様の機嫌を損ねないよう、なんでも言うことを聞いてしまうのは、自立の機会を奪うことになります。 一方で、頭ごなしに厳しく抑えつけるのも逆効果です。 「譲れないルールは守りつつ、本人の意思を尊重する」。このバランスを保つことが、大人の余裕を見せるポイントです。
3. 「最後まで聞く」という信頼の貯金
反抗期の子どもは、感情的になっている時はなかなか親の正論を聞き入れられません。 まずは、お子様が何かを言ったとき、途中で遮らずに「最後まで話を聞く」ことに徹してみてください。 「この人は自分の話を否定せずに聞いてくれる」という安心感が、いつか困った時の「相談先」としての信頼につながります。
「大人の余裕」が、お子様の安全基地になる
反抗期のお子様と向き合うのは、本当にエネルギーが必要です。 時には親だってイライラしますし、悲しくなることもあります。
「最近、ご自身の時間は持てていますか? 誰かに相談できていますか?」
大人が心に余裕を持つことが、結果としてお子様を守ることにつながります。 反抗期は悪いことではありません。一線を引いて距離を保ちながら、心の中ではしっかりと信頼して見守る時期なのです。
一人で悩まず、私たちにお話しください
児童福祉の専門家が、あなたとお子様の架け橋となります。
どんなに小さなお悩みでも、まずはお気軽にご相談ください。
株式会社PORT 長野県塩尻市・松本市・長野市
2026/05/31 12:00
【療育コラム】お子さんの困った行動を減らす「消去」という向き合い方
「もう、どうしたらいいの?」とお悩みの方へ。
お子さんの困った行動を減らす「消去」という向き合い方
「スーパーでお菓子をねだられて、泣き叫ばれるのが辛い…」
「一度ダメと言ったのに、結局根負けして買い与えてしまう…」
「言うことを聞こうと頑張るほど、お子さんの反抗が激しくなった気がしませんか?」
日々の育児、本当にお疲れ様です。お子さんの成長を願っているからこそ、どう対応すべきか迷い、孤独を感じてしまう瞬間もありますよね。
今回は、応用行動分析(ABA)の視点から、お子さんの「困った行動(駄々をこねる、かんしゃくなど)」を減らすための大切な鍵となる「消去(しょうきょ)」という考え方についてお話しします。
1. 「消去」とは?反応を変えることで行動を減らすプロセス
「消去」と聞くと、何かを無理やり消し去るような冷たい印象を受けるかもしれませんが、児童福祉の分野では「これまでの反応を変えることで、不適切な行動の頻度を減らしていく」という非常に前向きな支援手法を指します。
例えば、お子さんが「おもちゃ買って!」と駄々をこねたとき、これまでは「静かにさせるために」買い与えていたとします。すると、お子さんの中では「泣けば買ってもらえる」という学習が成立してしまいます。
「駄々をこねる」という行動に対して、「買い与える(ご褒美)」という反応を止めること。これが消去の第一歩です。
2. 知っておきたい「消去バースト」:嵐の前の激しさ
消去を始めると、多くの場合「消去バースト」と呼ばれる現象が起こります。これは、ある行動を消そうとしたときに、一時的にその行動が以前よりもひどくなったり、激しくなったりすることです。
なぜ激しくなるの?
お子さんの立場に立ってみると、「いつもはこれで上手くいっていたのに、おかしいな?もっと激しく泣けば反応してくれるかな?」と試行錯誤している状態なのです。グラフにすると、一度グンと山が高くなり、そこから緩やかに下がっていきます。
「対応を変えた途端、前よりかんしゃくがひどくなった…私のやり方が間違っているのかも?」
そう不安になるかもしれませんが、実は「バーストが起きた」ということは、消去が正しく働いている証拠でもあります。この激しさは、行動が減っていく前の「サイン」なのです。
3. ここが踏ん張りどころ!「大人の勝負時」を乗り越える
消去バーストが起きたときこそ、私たち大人の「勝負時」です。ここで激しさに負けて「分かったわよ、もう!」と買い与えてしまうと、お子さんは「もっと激しくすれば思い通りになるんだ!」と、さらに強く学習してしまいます。
- 一貫性を保つ: 今日はダメ、明日はOKという揺らぎをなくします。
- 冷静に見守る: 激しくなっている最中は、過度な注目を与えず、安全を確保しながら見守ります。
- 適切な行動を褒める: 泣き止んだ瞬間や、静かに待てた瞬間を逃さず、たくさん褒めてあげましょう。
「この時期さえ過ぎれば、駄々をこねる行動は必ず減っていく」。そう信じて、一歩ずつ進んでいきましょう。もちろん、一人で抱え込む必要はありません。
4. 児童福祉のプロとして、私たちが伴走します
理論では分かっていても、実際の場面で冷静に対応するのはとても難しいことです。私たち支援の専門家は、その「勝負時」を一緒に乗り越えるパートナーでありたいと考えています。
「うちの子の場合、どう対応するのがベスト?」
「消去バーストに耐えられる自信がない…」
そんな不安、ぜひ私たちに聞かせてください。お子さんの特性やご家庭の状況に合わせた具体的なアドバイスをさせていただきます。
2026/05/24 12:00
【療育コラム】親子が笑顔で過ごすための「予防」の3つのステップ
「どうしていつも同じことで怒ってしまうんだろう…」
「パニックになる前に、何かできることはなかったのかな?」
日々、お子様と全力で向き合っているからこそ、そんな風に自分を責めたり、行き場のない不安を感じたりすることはありませんか?
子育てや発達支援の現場では、「起こってしまった行動にどう対処するか」と同じくらい、あるいはそれ以上に「いかに未然に防ぐ環境を作るか」が大切です。今回は、応用行動分析(ABA)の視点から、親子が笑顔で過ごすための「予防」の3つのステップについてお伝えします。
「爆発する前のサイン」に気づけず、後悔してしまうことはありませんか?
1. 問題を予防する:ドミノを止める最初の一手
問題行動を「ドミノ倒し」に例えてみましょう。一度倒れ始めたドミノを途中で止めるのは、とても力が要ります。しかし、最初の一枚が倒れないように指で支える、あるいはドミノの距離を離しておくことができれば、大きな混乱は防げます。
これが「予防」の考え方です。児童福祉の専門的な視点でも、お子様の「困った行動」を責めるのではなく、その手前にある環境を調整することを最優先に考えます。
2. 予防を実現する「3つの方策」
具体的にお家で取り組める予防策は、大きく分けて3つのステップがあります。
① 「きっかけ」をなくす
問題行動には必ず「引き金(きっかけ)」があります。例えば、おもちゃが散らばっていて集中できない、特定の音が苦手でパニックになる、などです。
「その行動が起こる直前に、何が起きているか?」を観察し、物理的にそのきっかけを取り除いてあげることが、最良の予防策となります。付箋でタスクを整理するように、お子様の周りの環境をシンプルに整えてみましょう。
② 状況を軽減させる
きっかけを完全になくすのが難しい場合もありますよね。外出先での騒音や、どうしても避けられない予定などです。その場合は、「影響を最小限にする」工夫をします。
- イヤーマフを使って音の刺激を減らす
- 待ち時間を短くするために予約システムを利用する
- 視覚的なスケジュール表を見せて、見通しを立てやすくする
「これくらいなら大丈夫かな?」という小さな配慮の積み重ねが、お子様の安心感に繋がります。
③ 適切行動を起こす(布石を打つ)
「ダメ!」と禁止する代わりに、「こうすればいいんだよ」という適切な行動を先に準備しておきます。ここでのポイントは「予告」と「承認」です。
「あと5分でおしまいだよ」という事前の予告と、少しでも適切に動けた時の「よくできたね!」という承認。このセットが、お子様が自ら良い行動を選ぶための「布石」となります。
「頑張っている瞬間」を見逃していませんか?
3. ひとりで抱え込まないでください
「予防が大事なのはわかっているけれど、具体的にうちの子にどうすればいいのか分からない…」
そう感じるのは、あなたが決してお子様を放り出さず、真剣に向き合っている証拠です。子育ては、決して親御さんだけで完結させるものではありません。
私たち福祉のプロフェッショナルは、そんな「どうすれば?」を一緒に考え、伴走するパートナーでありたいと願っています。ABA(応用行動分析)の知見は、魔法ではありませんが、日常を少しずつ楽にする確かなツールになります。
お子様の成長や行動に関するお悩み、まずは気軽にお聞かせください。
専門のアドバイザーが、あなたのご家庭に合った「予防策」を一緒に考えます。
2026/05/17 12:00
【療育コラム】「どうしてうちの子、あんなことしちゃうの?」
【ABA】「困った行動」を「理解」に変えるための、3つの情報収集
日々、お子様と向き合う中で、そんな風に感じることはありませんか?
一生懸命に子育てをしているからこそ、理由のわからない「問題行動」に直面すると、出口のないトンネルにいるような孤独を感じてしまうこともあるかもしれません。
でも、安心してください。お子様の行動には必ず「理由」があります。今回は、応用行動分析(ABA)の視点から、その理由を解き明かすための「情報の集め方」をプロの視点で解説します。
1. なぜ「記録」が必要なの?客観的に見るための第一歩
児童福祉の現場でも、最も大切にしているのが「記録」です。保護者の方にお願いしたいのは、感情のフィルターを一度横に置いて、お子様の行動を「カメラで撮るように」観察することです。
「また始まった…」と溜息をつく前に、これからご紹介する3つのポイントを意識してみるだけで、見えてくる景色がガラリと変わりますよ。
2. 集めるべき「3つの鍵」となる情報
お子様の発達や行動の相談を受ける際、私たち専門家が注目するのは以下の3点です。
① 行動の「頻度」:1日に何回起こる?
「ずっと泣いている」「一日中暴れている」と感じていても、実際にカウントしてみると「1日に3回、食事の前に起こっている」といった法則性が見つかることがあります。
- 正の字を書いてカウントするだけでOKです。
- 回数が減っていく過程が見えると、保護者様の自信にも繋がります。
② 行動の「持続時間」:1回にどれくらい続く?
パニックが起きたとき、1分が1時間のように長く感じられるものです。しかし、ストップウォッチ等で測ってみると「実は5分で落ち着いていた」と気づくことがあります。
持続時間が短くなっているなら、それはお子様が自分の感情をコントロールしようと頑張っている「成長の証」かもしれません。
③ 周りへの影響:何が起きている?
その行動によって、周囲で何が変化したでしょうか?「お母さんがこっちを向いた」「おもちゃを貸してもらえた」「嫌な宿題が中断された」など、行動の直後に起きた変化に「行動の目的」が隠されています。
3. ひとりで抱え込まないで。伴走者がここにいます
「記録をつけなきゃ」と思うことが、お母様・お父様の負担になってしまっては本末転倒です。完璧を目指す必要はありません。「だいたいこれくらいかな?」というメモ程度から始めてみませんか?
児童福祉の専門家は、その記録をもとに、お子様が本当に伝えたかった「言葉にならないメッセージ」を一緒に読み解いていきます。あなたは決してひとりではありません。
「最近、なんだか上手くいかないな…」
「どこに相談すればいいのかわからない」
そんな風に感じたときは、いつでも私たちを頼ってください。お子様一人ひとりの個性に合わせたオーダーメイドの支援を、一緒に考えていきましょう。

