2026/02/22 12:00
日々、お子様と向き合う中で、こんな風に感じることはありませんか?【療育コラム】
日々、お子様と向き合う中で、こんな風に感じることはありませんか?
「どうしてうちの子は、あんなに不安そうな顔をするんだろう……」
「一生懸命育てているつもりなのに、どこか心が通い合っていない気がする」
子育てに正解を求め、孤独な不安を抱えている保護者の方は少なくありません。実は、私たちが大人になってから抱える生きづらさや、子どもたちの行動の背景には、ある共通したキーワードが隠されていることがあります。
今回は、児童福祉の現場で非常に重要視されている指標「ACE(エース)」についてお話しします。これを知ることは、お子様への理解を深めるだけでなく、あなた自身を癒やす第一歩になるかもしれません。
1. ACE(小児期逆境的体験)とは?未来に続く心のサイン
ACE(Adverse Childhood Experiences)とは、日本語で「小児期逆境的体験」と訳されます。18歳までに経験した、心身の発達に大きな負荷をかける出来事のことです。
この概念が注目されている理由は、子どもの頃の辛い経験が、大人になってからの心身の健康や、生活の質にまで長期間にわたって影響を及ぼすことが研究で明らかになっているからです。決して「過去のことだから」で済まされない、深いテーマなのです。
なぜ、ACEを知ることが大切なのでしょうか?
それは、今目の前のお子様が示している「困った行動」や「激しい感情」が、実は過去の傷つきからくる「SOSのサイン」である可能性に気づけるからです。また、保護者様ご自身が過去に抱えたACEが、現在の子育てのしづらさに繋がっていることもあります。
2. 代表的な4つの逆境体験とその影響
ACEには代表的な項目がいくつかありますが、ここでは特にお子様の心に深い影を落としやすい4つの項目を見ていきましょう。
- 精神的虐待: 言葉による暴力や、否定的な態度。子どもの自尊心を奪い、「自分はダメな人間だ」という強い思い込みを植え付けてしまいます。
- 身体的虐待: 叩く、蹴るといった身体への暴力。意外にも、あなたの身近な場所でも起こっているかもしれません。身体の傷だけでなく、他者への不信感を強めます。
- 性的虐待: 心に最も深い傷(トラウマ)を残す体験の一つです。成長してもなお、人間関係の構築や自己認識に多大な影響を及ぼします。
- 家族の離別: 両親の離婚や別居。子どもにとって家庭は世界のすべてです。その土台が揺らぐことは、想像以上に大きなダメージとなります。
「もしかして、あの時の自分の行動も虐待になっていたのかな?」
そう感じて、ご自身を責めてしまっていませんか? ACEを知る目的は、誰かを責めることではありません。「何が起こっていたのか」を正しく理解し、負の連鎖を止めるための第一歩を踏み出すことにあります。
3. 児童福祉のプロと共に考える「これから」のこと
ACEが子どもに与える影響は決して小さくありませんが、絶望する必要はありません。適切な支援とケアがあれば、子どもたちは回復する力を持っています。そして、保護者であるあなたも一人で抱え込む必要はないのです。
支援の現場ができること
発達相談や子育て支援の専門家は、単に「しつけの方法」を教える場所ではありません。背景にあるトラウマや家族の状況を一緒に整理し、お子様と保護者様が安心して過ごせる環境を整えるお手伝いをします。
「相談することは、弱いことではありません。お子様を守るための、最も勇敢な行動です。」
まとめ:一人で悩まず、まずは一歩。
今回ご紹介したACEは、全部で10項目ある指標のうちの一部です。残りの項目についても、これからの記事で丁寧にお伝えしていきます。まずは、今日この記事を読んで「知ろう」とした自分を褒めてあげてください。
私たちは、あなたが孤独を感じることなく、お子様と笑顔で向き合える日をサポートしたいと考えています。どんなに小さな不安でも構いません。あなたの声を、ぜひ聞かせてください。

