2026/05/17 12:00
【療育コラム】「どうしてうちの子、あんなことしちゃうの?」
【ABA】「困った行動」を「理解」に変えるための、3つの情報収集
日々、お子様と向き合う中で、そんな風に感じることはありませんか?
一生懸命に子育てをしているからこそ、理由のわからない「問題行動」に直面すると、出口のないトンネルにいるような孤独を感じてしまうこともあるかもしれません。
でも、安心してください。お子様の行動には必ず「理由」があります。今回は、応用行動分析(ABA)の視点から、その理由を解き明かすための「情報の集め方」をプロの視点で解説します。
1. なぜ「記録」が必要なの?客観的に見るための第一歩
児童福祉の現場でも、最も大切にしているのが「記録」です。保護者の方にお願いしたいのは、感情のフィルターを一度横に置いて、お子様の行動を「カメラで撮るように」観察することです。
「また始まった…」と溜息をつく前に、これからご紹介する3つのポイントを意識してみるだけで、見えてくる景色がガラリと変わりますよ。
2. 集めるべき「3つの鍵」となる情報
お子様の発達や行動の相談を受ける際、私たち専門家が注目するのは以下の3点です。
① 行動の「頻度」:1日に何回起こる?
「ずっと泣いている」「一日中暴れている」と感じていても、実際にカウントしてみると「1日に3回、食事の前に起こっている」といった法則性が見つかることがあります。
- 正の字を書いてカウントするだけでOKです。
- 回数が減っていく過程が見えると、保護者様の自信にも繋がります。
② 行動の「持続時間」:1回にどれくらい続く?
パニックが起きたとき、1分が1時間のように長く感じられるものです。しかし、ストップウォッチ等で測ってみると「実は5分で落ち着いていた」と気づくことがあります。
持続時間が短くなっているなら、それはお子様が自分の感情をコントロールしようと頑張っている「成長の証」かもしれません。
③ 周りへの影響:何が起きている?
その行動によって、周囲で何が変化したでしょうか?「お母さんがこっちを向いた」「おもちゃを貸してもらえた」「嫌な宿題が中断された」など、行動の直後に起きた変化に「行動の目的」が隠されています。
3. ひとりで抱え込まないで。伴走者がここにいます
「記録をつけなきゃ」と思うことが、お母様・お父様の負担になってしまっては本末転倒です。完璧を目指す必要はありません。「だいたいこれくらいかな?」というメモ程度から始めてみませんか?
児童福祉の専門家は、その記録をもとに、お子様が本当に伝えたかった「言葉にならないメッセージ」を一緒に読み解いていきます。あなたは決してひとりではありません。
「最近、なんだか上手くいかないな…」
「どこに相談すればいいのかわからない」
そんな風に感じたときは、いつでも私たちを頼ってください。お子様一人ひとりの個性に合わせたオーダーメイドの支援を、一緒に考えていきましょう。
2026/05/10 12:00
【療育コラム】お子様の行動を理解するための「情報の集め方」
「なぜ、急にパニックになってしまうんだろう?」「さっきまで笑っていたのに、どうして?」
理由がわからず、途方に暮れてしまう夜もありますよね。
こんにちは。私たちは、お子様の発達とご家族の笑顔を支える専門チームです。 お子様の「困った行動」には、実は必ず「理由」と「きっかけ」が隠されています。 今回は、応用行動分析(ABA)の視点から、お子様の行動を理解するための「情報の集め方」についてお話しします。
1. 行動の「前」にあるヒントを見つけよう
応用行動分析(ABA)では、行動そのものを見るだけでなく、その行動が起こる直前の状況=「先行条件」をとても大切にします。 パニックやぐずりが起きたとき、その「直前」に何があったのか。それを紐解くことが、解決への第一歩となります。
集めるべき「5つの先行情報」:
- 時間帯: 朝の準備中? 寝る前? 特定の授業の時間?
- 発生場所: リビング? 学校の教室? スーパーのレジ横?
- 一緒にいる人: お父さん? お母さん? 特定の先生や友達?
- 睡眠状態: 昨夜はよく眠れていた? 疲れが溜まっていない?
- 周りの言葉かけ: 誰かが何かを指示した? 否定的な言葉があった?
2. 環境が行動を引き起こしているかもしれません
「いつ・どこで」のパターンを知る
お子様の行動を記録してみると、「実は月曜日の10時頃に多い」とか「玄関で靴を履く時に必ず起きる」といったパターンが見えてくることがあります。 それはお子様のわがままではなく、その「時間」や「場所」に、お子様にとってのストレス要因(まぶしさ、音、手順の複雑さなど)が隠れているサインなのです。
「誰といるか」と「睡眠」の重要性
特定の人の前でだけ行動が出る場合、それはその人に対して「甘えたい」というサインかもしれませんし、逆に「緊張」を感じているのかもしれません。 また、睡眠状態は、お子様の感情をコントロールする力に直結します。 「今日は寝不足だから、少し刺激を減らしてあげよう」と、大人が先回りして調整してあげることが、お子様の穏やかな一日を守ることにつながります。
3. 私たちの「言葉かけ」を振り返る
余裕がない時、ついそんな言葉を投げかけてしまっていませんか?
特定の言葉かけが、お子様の行動のトリガー(引き金)になっていることもあります。 「特定の言葉」に反応していることが分かれば、伝え方を工夫するだけで、お子様の反応が劇的に変わることがあります。 「先行条件」を整えることは、お子様を叱る回数を減らし、お母さん・お父さんの心の平穏を守ることでもあるのです。
💡 大切なのは「分析」することではなく、「理解しようとする」こと
完璧に記録を取る必要はありません。「あ、今日はこれが嫌だったのかな?」と、ほんの少し意識を向けるだけで十分です。 お子様は、言葉でうまく伝えられない気持ちを「行動」で教えてくれている。私たちはそう考えています。
4. 一人で抱え込まず、一緒に考えませんか?
「記録をつけてみたけれど、どう対応すればいいかわからない」「うちの子の場合はどうなんだろう?」 そんな不安を感じたら、ぜひ私たちを頼ってください。 児童福祉のプロフェッショナルとして、あなたとお子様に寄り添い、共に歩んでいきます。
今の苦しみが、少しずつ「安心」に変わっていく。そのお手伝いをさせてください。
お問い合わせ・ご相談はこちら2026/05/03 12:00
【療育コラム】応用行動分析(ABA)で紐解く「強化」の仕組み
子どもの「困った」を「できた」に変える魔法
応用行動分析(ABA)で紐解く「強化」の仕組み
日々、お子様と向き合う中で、こんな風に感じることはありませんか?
「何度言っても同じいたずらを繰り返してしまう…」
「どうしてあんなに激しく泣いて訴えるんだろう?」
「もっと良い行動を増やしてあげたいのに、どう接すればいいのか分からない…」
毎日一生懸命に子育てや支援に向き合っているからこそ、出口の見えないトンネルの中にいるような孤独感を感じることもあるかもしれません。でも、安心してください。お子様の行動には、必ず「理由」と「法則」があります。
今回は、児童福祉の現場でも非常に大切にされている心理学の枠組み「応用行動分析(ABA)」の視点から、お子様の望ましい行動をぐんぐん伸ばすためのカギとなる「強化」について分かりやすく解説します。
1. 「強化」ってなに?行動が繰り返されるヒミツ
心理学の世界でいう「強化」とは、一言で言うと「ある行動の後に良いことが起こることで、その行動が将来もっと起こりやすくなること」を指します。そして、そのきっかけとなる「良いこと(ご褒美など)」を「強化子」と呼びます。
お子様が何かをした後、その結果が本人にとって「嬉しい!」と感じるものであれば、その行動はどんどん増えていきます。この仕組みを理解することが、発達支援の第一歩です。
「強化」には2つの種類があります
- 正の強化:行動のあとに「良いこと」が追加される(例:褒められる、お菓子をもらえる)
- 負の強化:行動のあとに「嫌なこと」がなくなる(例:苦手な宿題を免除される、叱責が止む)
2. 嬉しい!が増える「正の強化」の魔法
例えば、お子様がお絵描きをして、それをお父さんやお母さんに見せに来たとします。その時に「わあ、上手に描けたね!」と笑顔で拍手されたら、お子様はどう感じるでしょうか?
「褒められた!嬉しい!」と感じたお子様は、きっとまた次もお絵描きをして見せに来てくれるでしょう。これが「正の強化」です。特別なプレゼントでなくても、大好きなお父さん・お母さんの笑顔、ハイタッチ、抱きしめることそのものが、お子様にとって最大の「強化子」になります。
最近、お子様の「当たり前」にできている行動を褒めてあげたのはいつですか?
「靴を揃えた」「座ってご飯を食べた」…そんな小さな「できた」を見逃さずにキャッチすることが、お子様の自信を育みます。
3. 意外な盲点?「負の強化」を知ろう
もう一つの「負の強化」は、少し注意が必要です。これは「嫌なことがなくなることで、その行動が増える」仕組みです。
例えば、お片付けが嫌で大泣きしているお子様に対して、大人が根負けして「分かったわ、今日はお片付けしなくていいよ」と言ってしまったらどうなるでしょうか?お子様にとっては「大泣きしたことで、嫌な片付け(負の刺激)が消えた!」という成功体験になってしまいます。
すると、次からも「嫌なことがあったら大泣きすればいいんだ」と学習し、大泣きという行動が「強化」されてしまうのです。問題行動を減らしたいときは、この「負の強化」が働いていないかを客観的に見つめ直すことが大切です。
4. 解決へのヒントは「行動の後」を観察すること
お子様の行動を変えたいと思った時、ついつい「行動の理由」を深掘りしてしまいがちですが、ABAでは「行動の直後に何が起きているか」に注目します。
行動の後を観察するポイント
- その行動の後、お子様は笑っていますか?それとも注目を得て満足していますか?
- その行動の後、お子様にとって嫌なことが回避されていませんか?
- 大人はどんな反応を返していますか?(叱っているつもりが、実は構ってもらえて「正の強化」になっていませんか?)
「行動の後の対応」を変えるだけで、お子様の反応が劇的に変わることは珍しくありません。一人で悩まず、まずは「観察」から始めてみましょう。
お子様が困った行動をした時、あなたはどんな「後」を返していますか?
もし、今の対応に限界を感じているなら、私たちと一緒に「新しい対応」を試してみませんか?
まとめ:一人で抱え込まないでください
子育てや療育は、正解が一つではありません。応用行動分析(ABA)という強力なツールがあっても、それを毎日の生活で実践し続けるのは大変なことです。時にはイライラしてしまったり、自分を責めてしまったりすることもあるでしょう。
でも、あなたは十分頑張っています。私たち株式会社PORTは、長野県の地域に根ざし、お子様一人ひとりの個性に合わせた「強化」の形を一緒に考えるパートナーでありたいと願っています。
「うちの子の場合はどうすればいい?」「この行動をどう捉えたらいいの?」そんな些細な疑問でも構いません。どうぞお気軽にご相談ください。お子様の未来が、もっと笑顔で溢れるものになるよう、私たちが伴走いたします。
株式会社PORT 長野県塩尻市・松本市・長野市
2026/04/26 12:00
【療育コラム】お子様の「できた!」を増やすための魔法のヒント
「何度言っても、なかなか一人でできない…」
「つい手を出してしまって、これでいいのか不安になる」
日々、お子様と向き合う中で、こんな風に感じることはありませんか?
一生懸命に子育てや支援に向き合っているからこそ、お子様の「できない」姿に焦りを感じてしまうのは、とても自然なことです。決してあなた一人ではありません。
今回は、児童福祉の現場でも活用されているABA(応用行動分析)の考え方から、お子様の「できた!」を増やすための魔法のヒント「プロンプト」についてお話しします。
1. 「プロンプト」はお子様への優しい「ヒント」
ABAの世界では、お子様が正しい行動をとれるように出す手助けやヒントのことを「プロンプト」と呼びます。
自転車の練習をするときの「補助輪」のようなもの、とイメージすると分かりやすいかもしれません。
最初から完璧にできる子はいません。大切なのは、「成功体験」を積ませてあげること。プロンプトを使って「あ、できた!」という喜びを積み重ねることで、お子様の自信は育まれていきます。
2. プロンプトの4つのステップ
ヒントには、その強さによっていくつかの種類があります。お子様の今の状況に合わせて、適切なものを選んであげましょう。
-
一番強い 体ごとサポート
「一緒に並ぼうね」と手をつないで誘導したり、靴を履くときに手を添えたり。大人が体ごとサポートする、最も確実なヒントです。 -
次に強い モデリング(見本を見せる)
大人が先にやって見せて、「真似してごらん」と伝える方法です。目で見て理解することを助けます。 -
少し弱い 視覚的提示
写真やイラスト、カードを使ってヒントを与えます。「次はこれだよ」と指をさす(ジェスチャー)もここに含まれます。 -
最も弱い 言葉かけ
「次は何するんだっけ?」といった、声による短いヒントです。
今、お子様に必要なのはどの段階のヒントでしょうか?
少しだけ「手助け」の内容を意識してみるだけで、毎日の関わりがぐっと楽になるかもしれません。
3. 大切なのは「少しずつヒントを減らしていく」こと
プロンプトを活用する上で、最も重要なポイント。それは、「少しずつ弱いプロンプトに変えていく(フェイディング)」ことです。
いつまでも手をつないでいると、一人で歩く練習になりませんよね。成功率が上がってきたら、体へのサポートを「見本」に変え、見本を「指さし」に変え……と、少しずつ大人の手助けを薄めていきます。
この「卒業」のプロセスこそが、お子様の自立への確かな一歩となります。
4. 一人で抱え込まずに、相談してみませんか?
ABAの考え方はシンプルですが、いざ実践するとなると「どのタイミングでヒントを減らせばいいの?」「うちの子にはどの方法が合っているの?」と迷うことも多いはずです。
発達の支援は、決して保護者の方だけで完結するものではありません。私たち専門家が、あなたと一緒に伴走し、お子様に最適なオーダーメイドのサポートを考えます。
2026/04/19 12:00
【療育コラム】「できない」の裏側を紐解く「課題の分析」
「何度言っても、同じことでつまずいてしまう……」
「どうしてうちの子は、着替えや片付けがスムーズにいかないの?」
毎日、お子様と一生懸命に向き合う中で、そんな風に自分を責めたり、出口の見えないトンネルにいるような気持ちになったりすることはありませんか?
子育ては、教科書通りにはいかないことの連続です。特に発達に特性があるお子様や、支援が必要なお子様を持つ保護者様にとって、日々の「できない」への対応は、心身ともに大きなエネルギーを消耗するものです。
今回は、児童福祉の現場でも活用されているABA(応用行動分析)の視点から、お子様の「困った行動」を減らし、「できる」を増やすための具体的なステップをご紹介します。
1. 「できない」の裏側を紐解く「課題の分析」
例えば、「着替えができない」という一つの困りごと。一見シンプルに見えますが、実は多くのアクションが重なっています。
お子様が立ち止まっているのは、どのポイントでしょうか?
- 服を脱ぐ方法がわからないのか?
- 表裏の区別がつかないのか?
- 袖に手を通す感覚が苦手なのか?
このように、課題を細かくバラバラに分解して考えることを「課題分析」といいます。 「着替えなさい!」と大きな課題をそのまま投げかけるのではなく、どこでつまずいているのかを特定することで、私たちが提供すべき「ちょうどいい助け舟」が見えてくるのです。
2. 自信を育む2つのサポート:前から・後ろから
つまずきポイントがわかったら、次は具体的な支援です。ABAには大きく分けて2つのサポート方法があります。
① 前からサポート(フォワード・チェイニング)
これは、「最初のステップだけを手伝って、残りは自分でやってごらん」と促す方法です。 例えば、靴を履くときに「かかとを入れるところまで」を大人が手伝い、最後のマジックテープを留めるのを本人に任せる。 「最後を自分でやり遂げた!」という達成感を味わいやすいのが特徴です。
② 後ろをサポート(バックワード・チェイニング)
逆に、「途中までは自分で頑張って、最後の難しいところだけを手伝う」方法もあります。 お子様の今のレベルに合わせて、「どこまでなら一人で楽しく取り組めるか」を見極めてあげてください。
大切なのは、「手伝いすぎて依存させないこと」、そして「難しすぎて嫌いにさせないこと」。 この絶妙なバランスを保つために、大人のサポートを徐々に減らしていく「フェードアウト」という考え方がとても重要になります。
3. 成長を見逃さないための「記録」の魔法
「昨日よりはできていた気がするけれど、確信が持てない……」 そんなとき、心の支えになるのが「記録」です。
- どんなサポートをしたか:(例:言葉で教えた、手を持って教えた)
- お子様の反応はどうだったか:(例:笑顔だった、怒った、5秒でできた)
記録をつけることは、単なる事務作業ではありません。 数週間後に振り返ったとき、「あんなに苦労していたことが、今は当たり前にできている」というお子様の成長と、保護者様ご自身の頑張りを可視化する宝物になります。
一人で抱え込んでいませんか?
お子様の支援は、長く続くマラソンのようなものです。時には道に迷い、座り込みたくなる日もあるでしょう。 私たち「株式会社PORT」は、そんなあなたの隣を歩く伴走者でありたいと考えています。
ABAの考え方は、お子様をコントロールするための道具ではありません。 お子様が世界をもっと生きやすく、そして保護者様がもっと笑顔で毎日を過ごせるようにするための「コミュニケーションのヒント」です。
株式会社PORT 長野県塩尻市・松本市・長野市

