2026/11/01 12:00
【療育コラム】原始反射とは?—赤ちゃんが生まれ持った「成長のバトン」
生まれたばかりの赤ちゃんの、小さなおててや、一生懸命にミルクを飲む姿。その愛くるしい動きのひとつひとつに、実は「生きるためのプログラム」が隠されていることをご存知でしょうか?
- 「急に大きな音がすると、両手を広げてびくっとするのはなぜ?」
- 「口元に指が触れると、一生懸命に顔を向けてくるのはどうして?」
- 「私の指をぎゅっと握り返してくれる力強さに驚いた!」
初めての子育てや、発達が気になるお子様を支える中で、こうした「反射」の意味を知ることは、お子様の心と体の成長を理解する大きなヒントになります。
原始反射とは?——赤ちゃんが生まれ持った「成長のバトン」
赤ちゃんが自分の意志で体を動かせるようになる前、外からの刺激に対して無意識に反応することを「原始反射」と呼びます。これは脳幹を中心とした中枢神経系によって制御されており、赤ちゃんが過酷な外の世界で生き残り、成長していくために欠かせないものです。
特別支援教育や児童福祉の現場においても、この原始反射の理解は非常に重要です。なぜなら、反射は適切な時期に現れ、成長とともに「統合(消失)」していくものだからです。この記事では、代表的な5つの原始反射について詳しく紐解いていきましょう。
1. 探索反射(たんさくはんしゃ)
赤ちゃんの唇や口角にそっと触れると、刺激を受けた方向に口や頭を向ける動作です。これは、お母さんのおっぱい(乳首)を探し当てるための本能的な行動です。「ここに栄養があるよ」という合図に反応する、生命維持の第一歩とも言えます。
2. 吸てつ反射(きゅうてつはんしゃ)
口の中に指や乳首が入ってくると、規則正しく吸い付く動きを見せます。探索反射で見つけた栄養を、実際に体に取り込むための機能です。この反射があるおかげで、赤ちゃんは教わらなくてもミルクを飲むことができるのです。
3. モロー反射
急に頭の位置が下がったり、大きな音がしたりした時に、パッと両手を広げ、その後何かに抱きつくような動作をします。驚いているようにも見えますが、これは危険から身を守り、母親にしっかりとつかまろうとする名残だと言われています。
「寝かそうとするとモロー反射で起きてしまう…」と、寝かしつけに苦労されている保護者の方も多いかもしれません。でもそれは、お子様が一生懸命に自分の身を守ろうとしている、健康な証拠でもあるのです。
4. 把握反射(はあくはんしゃ)
手のひらや足の裏を指で押すと、ギュッと握り返すような動きをします。特に手の把握反射は力が強く、自分の体重を支えられるほどの場合もあります。この「握る」という経験が、将来的に自分の意志でものをつかむ動作へとつながっていきます。
5. 自動歩行反射(じどうほこうはんしゃ)
赤ちゃんの脇の下を支えて直立させ、足を床につけると、まるで歩いているかのように交互に足を動かすことがあります。まだ歩けないはずの赤ちゃんが見せるこの不思議なステップは、将来の二足歩行に向けた準備運動のようなものです。
発達の不安、一人で抱え込まないでください
原始反射は、通常生後数ヶ月から1年ほどで自然に消えていきます。しかし、お子様の発達のスピードは千差万別です。「うちの子、まだこの反射が残っているかも?」「あまり反射が見られない気がする」と、不安を感じることもあるでしょう。
児童福祉の視点では、これらの反射が「出ているか、いないか」だけを重要視するわけではありません。大切なのは、その反応を通して、お子様が今どのような成長段階にあり、どのようなサポートを必要としているのかを見極めることです。
そんな風にためらってしまう夜はありませんか?子育ては、一人で完結させるものではありません。私たちは、保護者の方々が感じる「ちょっとした違和感」や「日々の悩み」に寄り添い、共に歩む伴走者でありたいと考えています。
株式会社PORTでは、専門的な知見に基づき、お子様一人ひとりの特性に合わせた支援を提供しています。言葉が出にくい、動きがぎこちない、園や学校生活が心配…どんなことでも構いません。まずはあなたのお話を聞かせてください。

