2026/08/30 12:00
【療育コラム】不器用さは「怠け」ではなく「特性」かもしれません
DCD(発達性協調運動障害)って知ってる?
不器用さは「怠け」ではなく「特性」かもしれません
「うちの子、どうしてこんなに不器用なんだろう…」
「何度練習しても、箸使いや靴紐結びが上手くいかない」
「運動会の練習で、一人だけ動きがぎこちなくて心配」
周りの子ができることが思うようにできない姿を見て、お父様・お母様も焦りや不安を感じてしまうことがあるかもしれません。でも、それは決してお子様の努力不足や、保護者の方の育て方のせいではありません。
近年、児童福祉や教育の現場で注目されている「DCD(発達性協調運動障害)」という特性について、一緒に理解を深めていきましょう。
DCD(発達性協調運動障害)とは?
DCDとは、英語のDevelopmental Coordination Disorderの略称で、日本語では「発達性協調運動障害」と呼ばれます。
これは、知的な発達に遅れがないにもかかわらず、全身を使った運動(粗大運動)や、手先を使った細かい作業(微細運動)が極端に苦手な状態を指します。
私たちの脳は、目から入った情報をもとに、「どう体を動かすか」を瞬時に計算して体に指令を出します。DCDのお子様の場合、この脳内での情報のやり取りに「偏り」があるため、動作がぎこちなくなってしまうのです。
「よくある不器用」と見過ごされがちなサイン
日常の生活の中で、以下のような様子は見られませんか?これらはDCDの特性からくる代表的なサインです。
1. 食事の時の「箸使い」が苦手
お箸を正しく持つことが難しく、食べ物をつかんでもすぐに落としてしまったり、スプーンやフォークをいつまでも握り持ちしたりすることがあります。
2. 学校の「体育」や「外遊び」が苦手
- ボールを上手く投げられない、蹴れない。
- 縄跳びや跳び箱など、複数の動作を組み合わせる運動ができない。
- 何もないところでつまずいたり、よく転んだりする。
3. 「靴紐」や「身だしなみ」の苦労
靴紐を結ぶ、リボン結びをする、シャツのボタンを留めるといった作業には、高度な指先の協調が必要です。大人になっても、ネクタイを締めることに苦手意識を持つ方もいらっしゃいます。
もしかしたら、お子様自身も「どうして自分だけできないんだろう」と、一番傷ついているかもしれません。
大切なのは「訓練」ではなく「ゲーム感覚」での成功体験
DCDのお子様にとって、できないことを何度も繰り返す「訓練」や「鍛錬」は、運動嫌いや自信喪失につながるリスクがあります。児童福祉の専門家の視点からは、「遊び」の中に自然な動きを取り入れることを推奨しています。
能力向上へのステップ:ゲーム感覚で楽しむ
「できないこと」を克服させるのではなく、「楽しいからやってみたい!」という気持ちを引き出すことが、結果として能力の向上につながります。
- スモールステップ: 靴紐が難しければ、まずは太い紐で輪っかを作る遊びから。
- 道具の工夫: 補助箸やマジックテープの靴を活用し、「自分でできた!」という達成感を優先する。
- 褒めるポイントを変える: 成功した結果だけでなく、「挑戦した姿勢」をしっかり認めてあげる。
一人で悩まず、専門家に相談してください
DCDは、適切な理解と支援があれば、お子様は自分なりの「体の使い方のコツ」を掴んでいくことができます。悲観する必要はありません。お子様の成長を、一緒に楽しく、温かく見守っていきましょう。
もし、「うちの子もそうかも?」「どう接したらいいかわからない」と不安を感じたら、まずは私たちにご相談ください。
お子様の発達や不器用さについて、不安なことはありませんか?
無料相談・お問い合わせはこちら2026/08/23 12:00
【療育コラム】朝起きられない、日中眠いのは「心の甘え」ではありません
睡眠と子育ての深い関係。朝起きられない、日中眠いのは「心の甘え」ではありません
- 「何度起こしても朝起きられず、怠けているように見えてしまう…」
- 「夜更かしをしているわけでもないのに、授業中に居眠りをして怒られてしまった」
- 「夕方になると元気が出るのに、朝は体調が悪そうで不登校が心配…」
毎日、家事に仕事に、そしてお子様のサポートにと、本当にお疲れ様です。お子様の将来を想うからこそ、「このままで大丈夫かしら」と不安や焦りを感じるのは、あなたが誠実にお子様と向き合っている証拠です。
実は、現代のインターネット普及などにより、睡眠のリズムが崩れ、十分な休養が取れていない子どもたちが増えています。それは単なる「夜更かし」や「怠け」ではなく、体や脳からのサインかもしれません。
1. 激しい眠気が突然襲う「ナルコレプシー」
「授業中に居眠りをして、先生からやる気がないと叱られた」
そんな経験はありませんか?もし、お子様が突然、抗えないほどの強烈な眠気を感じ、無意識のうちに眠ってしまうことがあれば、それは「ナルコレプシー」という過眠症のひとつかもしれません。
これは本人の意志や努力でコントロールできるものではありません。周囲の「たるんでいる!」という叱責は、お子様の自尊心を深く傷つけるだけでなく、改善にはつながらない無意味な対応になってしまいます。
2. 思春期に多い「起立性調節障害」と不登校の関連
「朝、どうしても起きられない」「午前中は顔色が悪いのに、夕方から元気になってスマホを触っている」
こうした様子を見ると、つい「学校に行きたくないだけの口実では?」と疑ってしまうこともあるでしょう。
思春期に多く見られる「起立性調節障害」は、血圧や心拍の調節がうまくいかず、脳への血流が低下する疾患です。学校はどうしても朝から始まるため、睡眠リズムが合わないと登校が困難になり、結果として不登校につながるケースも少なくありません。
3. 私たちが今、お子様のためにできること
大切なのは、「根性論」で解決しようとせず、医学的・専門的な視点からアプローチすることです。まずは以下の「やるべきこと」を意識してみませんか?
① 叱らずに「記録」をつける
最も避けたいのは、安易な叱責です。「やる気がない!」「授業中に寝るな!」という言葉は、子どもを孤独に追い込みます。代わりに、「いつ・どんな時に・どれくらい寝ているか」を記録してみてください。この記録が、専門医や相談員への大きな手がかりとなります。
② 時間をかけてリズムを取り戻す
睡眠のリズムは、一朝一夕には戻りません。焦らず、少しずつ生活環境を整えていく「伴走者」の姿勢が、お子様の心の安定につながります。家庭だけで抱え込まず、外部の支援を利用することも検討してください。
4. 児童福祉の専門家として、あなたを支えます
睡眠の問題は、身体的な病気、発達の特性、あるいは心理的なストレスなど、様々な要因が複雑に絡み合っています。児童福祉の現場では、こうした悩みを抱えるご家庭に寄り添い、適切な医療機関や支援制度への橋渡しを行っています。
「こんなことで相談してもいいのかしら?」と迷う必要はありません。その一歩が、お子様の笑顔を取り戻す大きな転換点になります。
2026/08/16 12:00
【療育コラム】乳幼児の運動発達の目安
はじめての「できた!」を支えるために。乳幼児の運動発達の目安と、保護者の心に寄り添う支援
「周りの子と比べて、うちの子は少しゆっくりかも……」
「次にどんな成長が見られるのか、楽しみだけど少し不安……」
初めての子育ても、何人目かの子育ても、子どもの発達に関する悩みは尽きないものです。特に「運動発達」は目に見えやすいため、つい育児書やSNSの情報と比較してしまい、焦りを感じてしまうこともあるかもしれません。
私たち児童福祉の専門家は、そんなお父様・お母様の不安な気持ちに寄り添い、一緒に成長を喜び合いたいと考えています。今回は、教育・福祉のプロが伝える「乳幼児の運動発達の目安」を分かりやすく解説します。
1. 成長の階段:寝返りからひとり歩きまで
赤ちゃんの成長は、一歩ずつ、しかし確実なステップを踏んでいます。ここでは、主な発達の目安をご紹介します。
◆ 寝返り(6〜7か月頃)
仰向けの姿勢から、自分の力でうつぶせになれるようになります。世界が広がる第一歩です。
◆ ひとりすわり(9〜10か月頃)
大人の支えがなくても、1分以上座っていられるようになります。両手が自由に使えるようになり、おもちゃ遊びがさらに楽しくなる時期ですね。
◆ はいはい(9〜10か月頃)
自分の意志で行きたい場所へ「はって移動」できるようになります。好奇心のままに動き回る姿に、成長を感じる保護者の方も多いでしょう。
◆ つかまり立ち(11〜12か月頃)
家具や壁をつかんで、自分の足で立ち上がります。目線の高さが変わり、お子様自身の自信にもつながる瞬間です。
◆ ひとり歩き(1年3〜4か月頃)
自分の力で立ち、2〜3歩歩き始めます。歩き出した瞬間の感動は、一生の宝物になります。
ここで紹介した月齢は、あくまで一般的な「目安」です。発達には、その子自身のペースがあります。「はいはい」をあまりせずに立ち上がる子もいれば、のんびりと座って遊ぶのが好きな子もいます。大切なのは「時期」よりも「順序」と「意欲」です。
2. 「うちの子のペース」を大切にするということ
毎日お子様のそばにいるからこそ、小さな変化に気づけるのは保護者様だけの特権です。しかし、その距離の近さが時に「心配」を大きくしてしまうこともあります。
「今の環境で、この子の発達を促せているかな?」
そんなときは、一人で抱え込まずに私たち相談員を頼ってください。児童福祉の現場では、単に発達の遅れを指摘するのではなく、「今、その子が何をしようとしているか」を読み解き、家庭でできる遊びや環境づくりのサポートを提案しています。
3. 孤独を感じない子育てのために:地域とつながる支援
子育ては「孤育て」であってはいけません。特に発達に関する不安は、誰かに話すだけでも心が軽くなることがあります。
- 個別相談: 専門の相談員がお子様の様子を詳しく伺います。
- 遊びの場の提供: 他のお子様や保護者と交流できる場があります。
- 専門的療育: 必要に応じて、一人ひとりに合わせた発達支援を行います。
「こんな小さなことを相談してもいいのかな?」と思うようなことでも構いません。お子様の「できた!」を一緒に喜び、困ったときには一緒に考える「伴走者」として、私たちはここにいます。
2026/08/12 09:00
✨ 松本市の保育園の主任の先生方が見学に来られました! ✨
先日、松本市の保育園の主任の先生方8名が「ふぁいん」へ施設見学にいらっしゃいました😊
療育の工夫と視覚支援のご紹介
前半の時間では、ふぁいんでの療育の様子や、保育と療育の違い、私たちが普段行っている視覚支援の工夫などについてお話しさせていただきました🗣️
発達の段階に合わせて分けている教材棚や、手洗い場の視覚支援ツールなども実際に見ていただき、皆さん熱心に写真などを撮られていました📸
実際の療育クラスを見学
後半は、実際の療育クラスを見学していただきました🍀
大勢の見学の方がいていつもより少し緊張しながらも、ボール遊びやごっこ遊びなどに一生懸命取り組む子どもたちの姿がとても頼もしかったです✨
絵カードを使って様々な要求を伝えるコミュニケーション練習(PECS)や、活動の切り替えをスムーズにするための見通し支援など、私たちが普段から大切にしている関わり方をお伝えしました。
地域連携を目指して
その後の質疑応答では、「療育施設につながるまでの流れ」や、「園での困りごとに対する具体的な対応(ABC分析を用いたアプローチなど)」について活発な意見交換が行われました🙌
「保育園だからできること」「療育だからできること」を互いに共有し、地域全体で連携していくことの大切さを改めて実感する素晴らしい時間となりました🤝
お忙しい中お越しいただいた先生方、本当にありがとうございました!
2026/08/09 12:00
【療育コラム】子どもの「発達」を理解する3つの基本原則
「どうしてうちの子は、あの子ができることがまだできないんだろう?」
「もっと早く歩けるように、もっと早く言葉が出るように、何かしてあげなきゃいけないのかな……」
周りの子と比較してしまったり、育児書の通りに進まないと自分の育て方のせいかもと悩んだり。子育ては、正解が見えないからこそ孤独を感じやすいものです。
こんにちは。株式会社PORTです。私たちは教育・福祉のプロとして、日々多くのお子様と保護者様に寄り添っています。今日は、少し肩の力を抜いていただくために、ぜひ知っておいてほしい「発達の基本3原則」についてお話しします。
無理をしてもいいことはない?「発達の基本3原則」とは
子どもの成長は、真っ直ぐな右肩上がりの直線ではありません。時には立ち止まり、時には大きくジャンプするように進んでいきます。福祉の現場で私たちが大切にしているのは、以下の3つの考え方です。これらは、子育ての迷いを解消するための「羅針盤」になってくれます。
- 安全な環境が基盤であること
- 発達を早めることは不可(無理は禁物)
- どの段階も等しく大事であること
1. すべての土台は「安全な環境」から
想像してみてください。グラグラと揺れる足場の上で、新しい挑戦をしようと思えるでしょうか?子どもも同じです。脳が新しい技能を習得したり、のびのびと活動したりするためには、「ここは安心できる場所だ」「この人は自分を守ってくれる」という絶対的な安心感が必要です。
成人になるまで、あるいは成人してからも、この「安全な基盤」を整え続けること。それが、子どもの成長を促す一番の近道なのです。もしお子様が何かに躓いているように見えたら、まずは「今、この子は安心して過ごせているかな?」と環境を見直してあげてください。
2. 「早めること」はできない、だからこそ「待つ」
「早く歩けるように練習させなきゃ」「早く文字を教えなきゃ」と、つい急かしたくなることもあるかもしれません。しかし、発達にはその子なりのペース(成熟のタイミング)があります。
まだ準備ができていないのに無理をさせると、子どもは「できない」という失敗体験を積み重ねてしまいます。その結果、自信をなくしたり、自己肯定感が下がってしまったりすることがあるのです。
「まだかな?」と待つ時間はもどかしいものですが、その「待つ」という行為こそが、お子様の心を守る最大の支援になります。
3. 「どの段階」も、成長には欠かせない宝物
ハイハイをせずに立ち上がった、言葉が出る前に手話のような動きで伝えてくる……。発達のプロセスには、一つひとつに必ず意味(目的)があります。飛ばしていいステップは一つもありません。
一段ずつ階段を上るように、その時々の「今しかできない経験」を積み重ねることが、将来の大きな成長を支える根っこになります。他人と比べるのではなく、「昨日まではできなかったこの一段を、今日は踏み出そうとしている」という、お子様自身の小さな変化に目を向けてみませんか?
一人で抱え込まないで。私たちはあなたの「伴走者」です
「理屈ではわかっていても、やっぱり不安……」
そんな風に思われるのは、あなたがそれだけお子様を大切に思っている証拠です。決して、お一人で悩む必要はありません。
私たち株式会社PORTは、教育と福祉の専門知見を持って、ご家族の歩みをサポートします。ちょっとした相談でも構いません。「うちの子のペース、これでいいのかな?」と感じたら、いつでもお声がけください。



