2026/10/04 12:00

【療育コラム】吃音(きつおん)の原因と対応

吃音(きつおん)の原因と対応:知っておきたい、お子様の言葉に寄り添うヒント

日々、お子様と向き合う中で、こんな風に感じることはありませんか?

  • 「言葉がつまってしまうのは、私の育て方のせい?」
  • 「一生懸命話そうとしている子に、なんて声をかけてあげればいいの?」
  • 「焦って話し直させてしまうけれど、これでいいのかな…」

一生懸命に伝えようとするお子様の姿を見て、もどかしさや不安を感じているのは、あなた一人ではありません。今日は、児童福祉の視点から「吃音」との向き合い方について、一緒に考えていきましょう。

言葉がスムーズに出てこない「吃音(きつおん)」。初めてその症状に気づいたとき、多くの保護者様が「自分の接し方が悪かったのでは」とご自身を責めてしまいがちです。しかし、まずはこれだけは知っておいてください。吃音は、決して育て方のせいではありません。

吃音の正体とは?その原因と症状について

吃音には、主に3つの代表的な症状があります。これらは、お子様が言葉を一生懸命に紡ごうとしている証でもあります。

  • 連発(れんぱつ):「あ、あ、あのね」と、音を繰り返す。
  • 伸発(しんぱつ):「あーーーのね」と、音を引き伸ばす。
  • 難発(なんぱつ):「……あのね」と、最初の音が出にくく詰まってしまう。

原因は「育て方」ではなく「体質」

最新の研究では、吃音の主な原因は本人が生まれ持った遺伝的な体質によるものが大きいとされています。脳の言語処理のプロセスにおいて、繊細なバランスのズレが生じることで起こる現象です。環境やしつけが直接の引き金になることはありません。まずは、ご自身を責める気持ちを、お子様を支えるエネルギーに変えていきましょう。

やってしまいがち?「NG」な対応と、その理由

お子様が言葉に詰まっているとき、良かれと思ってやってしまうことが、実はプレッシャーになっている場合があります。

その1:言い直しをさせない(言い直しNG)

「もう一回落ち着いて言ってごらん」「ゆっくり言って」といった言い直しをさせても、すぐに改善することは稀です。むしろ、お子様は「うまく言えない自分」を強く意識してしまい、話すこと自体に恐怖やプレッシャーを感じるようになってしまいます。言い直させるよりも、「何を言おうとしているか」という内容に耳を傾けてあげてください。

その2:矢継ぎ早に話しかけない(矢継ぎ早NG)

大人が次々と質問を投げかけたり、会話のスピードが速すぎたりすると、お子様は「早く答えなきゃ」と焦ってしまいます。この「焦り」がさらに症状を強くしてしまうことがあるのです。

今日からできる、温かいサポートのヒント

では、どのように接するのがベストなのでしょうか?キーワードは「大人がゆっくり構えること」です。

1. こちらがゆっくり話しかける

お子様に「ゆっくり話しなさい」と言うのではなく、周りの大人が穏やかなペースで話しかけるようにしましょう。大人のペースがゆったりしていると、お子様も自然とリラックスし、話しやすい環境が整います。カメやカタツムリのような、穏やかな時間の流れを意識してみてください。

2. 「待っているよ」という安心感を

言葉に詰まっても、先回りして言葉を補ったりせず、最後までお子様の言葉を待ってあげてください。たとえ時間がかかっても、「あなたの言葉をちゃんと聴いているよ」という眼差しを向けるだけで、お子様の心は大きく救われます。

少し立ち止まって、想像してみてください。

お子様が、一生懸命に宝物を運んでこようとしています。その道中でつまづいたとき、私たちは「早くして!」と言うでしょうか。それとも、「大丈夫、ゆっくりおいで」と手を広げて待つでしょうか。言葉もそれと同じ、お子様が一生懸命に届けてくれるギフトなのです。

一人で抱え込まず、私たちにご相談ください

吃音の症状や、それに対する適切な関わり方は、お子様の性格や年齢によって千差万別です。「家庭内だけでなく、教室や園でどう過ごせばいい?」「この先の成長が心配」といったお悩みがあれば、ぜひ専門家の力を頼ってください。

私たち児童福祉の相談員は、お子様とご家族が、笑顔で「おしゃべり」を楽しめる日々を全力でバックアップします。孤独な子育てではなく、伴走者としての私たちがここにいます。

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