2026/11/08 12:00
【療育コラム】「ねえ、距離が近すぎてお友達が驚いているかも…」
「ねえ、距離が近すぎてお友達が驚いているかも…」
「一生懸命お話ししているけれど、相手の反応に気づけていないかな?」
日々、お子様と向き合う中で、そんな風に感じることはありませんか?公園や学校でのやり取りを見て、ハラハラしてしまう。そんな保護者様の想いに寄り添いながら、今日は「心の距離」と「体の距離」の教え方についてお話しします。
パーソナルスペース(PS)の理解から始めましょう
「パーソナルスペース(PS)」という言葉をご存知でしょうか?これは、他人に近づかれると不快に感じたり、不安になったりする「自分だけの見えない境界線」のことです。
私たち大人は無意識にこの距離を調節していますが、発達の特性を持つお子様の中には、この「見えない境界線」を感じ取ることが少し苦手な子がいます。 決して悪気があるわけではなく、相手が好きだからこそ、あるいは興味があるからこそ、ついグイグイと近づきすぎてしまうのです。
お友達から「近い!」と思われてしまう傾向があります。
男女による「形」の違いを知っていますか?
実は、パーソナルスペースの形には男女で違いがあると言われています。もちろん個人差はありますが、一般的な傾向を知っておくことで、指導のヒントが見つかります。
- 男性は「楕円形」: 前後に対しての警戒心が強く、横方向は比較的寛容な傾向があります。
- 女性は「円形」: 前後左右、均等に一定の距離を保とうとする傾向があります。
お子様が誰かに近づくとき、相手が男の子か女の子かによって「感じ方」が違うかもしれない、という視点を持つことも、対人関係をスムーズにする第一歩です。
家庭でできる「視覚化」のトレーニング
「もう少し離れて」と言われても、お子様にとっては「もう少しってどれくらい?」と迷ってしまうものです。そんな時、教育・福祉の現場でも使われる「視覚化(見える化)」が非常に有効です。
1. 写真を撮って客観的に見る
お子様とお友達(または家族)が並んでいるところを写真に撮り、「これくらいだとお友達はニコニコだね」「これだと近くてびっくりしちゃうね」と、実際の距離を画面越しに確認してみましょう。客観的に見ることで、適切な距離がイメージしやすくなります。
2. 「声をかけてから」のルール作り
いきなり近づくのではなく、まずは立ち止まって「ねえ、一緒に見てもいい?」と一言かける練習をしましょう。
言葉を介することで、物理的な距離を詰める前に「心の準備」をする時間が生まれます。このワンクッションが、良好な人間関係を築く魔法の習慣になります。
「うちの子にはまだ難しいかも…」と、不安に思う必要はありません。
大切なのは、一度に完璧を目指すことではなく、お子様と一緒に「これくらいが心地いいね」という感覚を少しずつ見つけていくことです。あなたは一人で悩む必要はありません。
私たちと一緒に、一歩ずつ歩んでみませんか?
お子様の成長を願うからこそ、尽きないお悩みがあるかと思います。長野県内で児童福祉に携わる私たちは、そんな保護者様の「伴走者」でありたいと考えています。
パーソナルスペースの指導に関すること、学校や放課後の過ごし方のこと。どんな小さなお困りごとでも、まずはお気軽にご相談ください。

